大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(ネ)1036号 判決

被控訴人が控訴人にたいし昭和二三年三月三日の和解契約にもとずく金一万五千円の月賦支払をなさなかつたことは、右に引用の原判決に説明のとおりである。また被控訴人が同年同月以降昭和二十五年一月までの本件建物の一ケ月金五百円の割合による家賃相当額(ただし、控訴人はこの建物の使用は控訴人と被控訴人との中華料理店の共同経営に附随するもので、被控訴人はこの建物を昭和二十三年十一月明渡したと主張している)を支払わなかつたことは当審における控訴本人の供述によりうかがわれる。控訴人はかような被控訴人の債務不履行が控訴人において被控訴人にたいし行つた本件不法行為の主たる原因であるというけれども、債権者は合法的な方法においてのみその権利を実現しうべく、たとえ債務者に不履行があるからといつて債務者にたいし、不法の実力を行使してその履行を強制するをえないことはもちろんであるから、債権者が債務者にたいし、その債務を履行させようとして行つた不法行為のごときは債務の不履行となんの相当因果関係も認められない。よつて被控訴人の前記の金円不払が控訴人の本件不法行為による損害の発生の原因の一部分であることを前提とする控訴人の過失相殺の抗弁は理由がなく、当審における控訴本人の尋問の結果は右認定を左右しない。

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